表2 実験条件:(a)〜(d)は図1に対応(*のスポット径は過小評価の可能性あり) パルス幅 (a) 100 fs (b) 35 ps (c) 200 ps (d) 2 ns (e) 10 ns (f) 10 ns (g) 20 ns 1064 nm を切り抜く際に,(炭素繊維を切断した後に)底面の最後の樹脂層を蒸発させるのに時間がかかりレーザーを過剰に照射したためと思われる.一方で,1064 nmの波長も樹脂を透過するが,この場合は炭素繊維の加熱による熱影響で裏面の樹脂が蒸発したと考えられる.この考察を裏付けるデータとして,図3にパルス幅/波長が20 ns /1064 nm,10 ns/532 nm,200 ps /800 nmのレーザーを用いて貫通加工した試料の表面と裏面のSEM像を示す.図3 (a), (b)は図2 (g), (f)と同じSEM像であり,図3 (d), (e)は図2 (a), (b)に対応した試料裏面のSEM像である.図3 (d)波長 平均パワー 繰返し周波数 スポット径 掃引速度 mm/s 照射強度 W/cm2 800 nm 0.2 W 266 nm 2.0 W 800 nm 0.4 W 355 nm 45.0 W 355 nm 43.0 W 532 nm 3.0 W 3.0 W 図2 パルスレーザーを用いたCFRP加工のパルス幅・波長依存性 1 kHz 100 µm 100 kHz 60 µm 1 kHz 100 µm 1550 kHz 24 µm 200 kHz 24 µm 10 kHz 18 µm* 20 kHz 27 µm* で確認できる炭素繊維の露出が図3 (e)では見られない.532 nm光によって炭素繊維が切断された後に樹脂層が弱い多光子吸収によりアブレーションされたものと推測される.今回の実験条件は最適化されたものではなく,照射強度を高めることにより熱影響が少ない加工が可能であると考えられる10). 図3 (c), (f)に,パルス幅200 ps,波長800 nmのレーザーを用いて,低パワーで加工した試料の表面と裏面のSEM像を示す.溝加工した図2 (c)に比べて,1/4のパワー(0.1W)で貫通加工を試みた結果である.サブナノ秒レ17 1500 17 37200 4800 1500 1500 2.7×1013 2.1×1010 2.7×1010 3.4×109 5.0×109 1.2×1010 1.4×109 - 90 -
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