図8段差パターンのラマンスペクトル.図8に図7の段差構造において,1層領域と多層領域のラマンスペクトルを示す.比較のため,Cu薄膜上に塗布したCu2Oナノ粒子溶液膜とCu薄膜のみの場合のスペクトルも示す.Cu2Oナノ粒子溶液膜と比較して,描画形成したパターンは,1層領域と多層領域ともにCu2O起因するピーク強度が小さいことから,形成されたパターンはCu-richと考えらえる.これは,Cu2Oナノ粒子溶液に含まれるPVPと2-プロパノールが反応してギ酸が生じ,それを還元剤としてCuが還元生成されたと考察される11).図6ラインパターン幅とレーザ走査速度の関図7内部描画を利用して形成した段差構造の) .u .a(ytisnetnI2ndlayer1stlayerCu2O NP Cu2O filmsolution film(on Cu film)(on Cu film)Cu film4.まとめ謝辞参考文献係.パルスエネルギーは0.023-0.117 nJ.3・4内部描画を用いた段差構造の描画内部描画を利用して,段差構造を描画形成した.図7にFE-SEM像を示す.1層目のみ形成できる条件(0.039 nJ, 100 µm/s)で描画した100×100 µm2パターンと,その中心に2層目まで残る条件(0.078nJ, 100 µm/s)で描画した30×30 µm2パターンが形成された.FE-SEM画像.(a)全体像と(b)拡大像.本研究では,非線形光吸収を利用した3次元Cu微細構造の直接描画形成をめざし,Cu2Oナノ粒子溶液の調製と,フェムト秒レーザ描画特性を評価した.更に,内部描画を利用して,Cuの段差構造の描画に成功した.今後,Cu2Oナノ粒子をより厚膜に堆積させることによって,より複雑な3次元Cu微細構造形成に取り組む予定である.本研究の一部は,文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業(微細加工プラットフォーム)の支援により名古屋大学で実施されました.また,本研究は,JSPS科研費16H06064の助成と,公益財団法人天田財団2014年一般研究開発助成(AF-2014206)の助成を受けて実施されたことを記し,心より謝意を示します.150- 87 -350250550Wavenumber (cm-1)4506501)S. Maruo, O. Nakamura, and S. Kawata: “Three-dimensional microfabrication two-photon-absorbed photopolymerization”, Optics Letters, Vol.22, No.2 p.132 (1997)2) S. Kawata, H. B. Sum, T. Tanaka, K. Takada: “Finer features for functional microdevices”, Nature, Vol.412, No.6848 p.697 (2001)3) S. Maruo and H. Inoue: “Optically driven micropump produced by three-dimensional two-photon microfabrication”, Cu2Owith
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