-遠心分離-洗浄図1提案するプロセス図2ナノ粒子のFE-SEM像図3合成ナノ粒子のXRDスペクトル .bra()tinuytisnetnI 3.実験結果ノ粒子溶液をスピンコートし,ベイクを行って不要な水分を蒸発させる.作製されたCu2Oナノ粒子膜上に,近赤外フェムト秒レーザパルスを集光照射し,所望のパターンを描画形成する.最後に,未照射部のCu2Oナノ粒子を除去する.それぞれのプロセスにおける詳細を下記に示す.2.2材料調製と基板塗布Cu2Oナノ粒子は,ポリオール法を用いて合成した10).Cu2Oナノ粒子原料としてCu(NO3)2を,保護安定化剤としてポリビニルピロリドン(Mw~55000,polyvinylpyrrolidone,PVP)を,還元剤としてエチレングリコール用いた.初めに,72 mMのCu(NO3)2と288 mMのPVPを,シリンジポンプを用いてエチレングリコール中に同時に加えた後,マグネティックスターラを用いて攪拌した.混合速度は45 mL/hとした.次に,遠心分離機を用いてCu2Oナノ粒子を分離し,エタノール用いて洗浄した.分離条件は,14500 rpmで30分間とした.続いて,Cu2Oナノ粒子を0.09 gのPVPと3.6 mLの2-プロパノールに分散し,ガラス基板,もしくはガラス基板にCu薄膜(約200 nm)をスパッタ成膜した基板上にスピンコート塗布した.最後に,80°Cのホットプレートで加熱した.2.3フェムト秒レーザ描画装置フェムト秒レーザ描画にはNanoscribe社の3次元マイクロ・ナノ光造形3Dプリンタ装置(Photonic Professional GT)を用いた.レーザ波長,パルス幅,繰返し周波数はそれぞれ,780 nm,120 fs,80 MHzであった.フェムト秒レーザパルスは開口数0.75の対物レンズを用いて集光し,サンプルをピエゾステージによって走査させることでパターン描画を行った.最後に,未照射部のCu2Oをエタノールで除去した.2.4材料の評価方法ガラス基板上に塗布したCu2Oナノ粒子溶液膜の吸収特性は,紫外・可視分光光度計(UV2600,島津製作所社製)溶液ナノ粒子近赤外フェムト秒レーザを用いて評価した.測定は,レーザ半波長とレーザ波長を含む紫外・可視領域で行った.調製したナノ粒子は,電界放出型電子顕微鏡(Field Emission-Scanning Electron Microscopy, FE-SEM)を用いて形状観察を行った.更に,ナノ粒子の結晶構造解析は,イメージングプレート型エックス線回折(X-ray diffraction,XRD)装置を用いて行った.描画したパターンは,顕微レーザラマン分光光度計(NRS-1000,日本分光社製)を用いて行った.レーザ波長は532 nm,スポット径約2 µmとした.3・1Cu2Oナノ粒子の合成調製したナノ粒子をガラス基板上に塗布し,FE-SEMにより観察を行った.図2にナノ粒子のFE-SEM像を示す.球状の単分散ナノ粒子が得られ,その直径は約100 nmであった.図3にナノ粒子のXRDスペクトルを示す.Cu2Oに起因する回折ピークのみが観察されたことから,調製したナノ粒子はCu2Oナノ粒子であることが明らかであり,これは参考文献と一致した10).Cu(NO3)2Cu2Oナノ粒子Cu2OPVP+ PVP+2-プロパノール- 85 -30354540502theta (deg.)Cu2O5560
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