(ロータリーポンプ)表1レーザ照射条件図4に,レーザブレージング装置の模式図を示す.供試材料には,金属材料として超硬合金(ISO使用分類K10相当材;93~95WC–4~5Co(mass%))を選択した.これは,セラミックスとの熱膨張係数差が小さく,残留応力を低減図3レーザブレージング装置と酸素濃度測定系の図5試料作製手順図4レーザブレージング装置の模式図5°2.実験方法Ag–Cu–Ti ろう材2.1レーザブレージング装置と酸素濃度測定系の構成本研究では,レーザを用いた急速加熱中における試料周したがって,セラミックスと金属の接合にレーザブレージングを適用することで,Tiの酸化要因に対して高度な制御が可能となり,母材の材質劣化低減や変形抑制が図られ,接合品質の安定化につながることが想定される.さらに近年,高純度のc−BN15)や単結晶ダイヤモンド等を工具に用いることで,高精度切削を実用化する動きが活発となっている.これらの材料は非常に高価であるため,実用化には多品種少量生産に適したレーザブレージングの適用が求められている.そこで本研究では,セラミックスと金属の異材レーザブレージングにおいて,活性金属の酸化防止や良好な接合を実現する雰囲気中の酸素濃度の上限を明確化するとともに,レーザ加熱環境下での酸化抑制条件の確立をより簡便な構成の装置を用いて実現し,異材レーザブレージングの高度化を図ることを目的とした.辺の酸素濃度と試料付近の温度の双方を正確に計測するために,加熱チャンバー及び酸素濃度計とその他計測器(熱電対等)の情報を一元的にデータ収集可能な装置を構築した.装置外観を図3に示す.なお,チャンバーの気密については,10-1Pa程度を実現データロガー酸素濃度計レーザ光源外観光ファイバービームヘッド六方晶窒化ホウ素(h–BN)酸素濃度計Arレーザ透過窓(透明石英製)ロータリーポンプへレーザ照射ヘッドチャンバーロータリーポンプへレーザ光レーザ照射領域金属基板(超硬合金)熱電対バルブチャンバー試料ステージパルスYAGレーザ平均出力パルスYAGレーザ波長(nm)レーザ走査速度するとともに雰囲気制御が可能な設計とした.なお,通常の加熱装置では水冷等を用いた炉体の冷却が必要となっているが,このチャンバーでは,レーザによる局所加熱で試料のみが加熱されるため,チャンバー冷却設備の省略が可能となり,装置の簡略化を実現している.できるためである.セラミックスとしては,高純度窒化ホウ素(相対密度82.5 %,純度99 mass%以上,5 mm × 5 mm × 3.5 mm t, 以下h–BNと表記)を使用した.h–BNの選択理由は以下の通りである.h–BNはセラミックスの中でも金属とのぬれ性が低い.したがって,h–BNのろう付条件を見出すことができれば,他のセラミックス材料への応用展開が円滑に進められるためである.ろう材には,活性金属ろう材として一般的に用いられる市販の銀ろう材70.26Ag–28.06Cu–1.68Ti (mass%)を用いた.基材の超硬合金と窒化ホウ素の間にろう材を挟み,Ar雰囲気中で表1の条件にてろう付を行い,試料を作製した.試料作製は,図5に示す手順にて実施した.今回新たに試みる,真空排気を行わずに純度99.999 %(5N)のArガスを1~10 L/minでフローさせてからレーザブレージングを行った場合(6条件)と,比較条件として,これまでの研究16, 17)で確立された条件である,ロータリーポンプを用いて10-1Paオーダーまで真空排気を行った後に純度比較条件ArArフロー(1 L/min –10 L/min)Arをフローしながらレーザ照射周波数(Hz)試料をセット予備排気(kW)CW LDレーザ出力(kW)CW LDレーザ波長(nm)(1辺目)(2辺目)(3辺目)(4辺目)(mm/s) (1 L/min –10 L/min)0.13410640.028081000.61.01.01.0- 74 -
元のページ ../index.html#76