FORM TECH REVIEWvol27
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mm2 削削除除ししなないいででくくだだささいい電気,電子産業では各種部品の小型化が進み,それにともなって金属薄板の接合に対する要望が高まっている.しかし,薄板は材料の保持が難しく,特に微小部品ではプロセスの自由度も重要となる.また,薄板では材料への入熱により変形が生じやすく,それによりギャップのコントロールが不安定になるなど,その適応には困難がともなう.一般に,薄板の溶接にはパルスレーザによる溶接が行われるが,加熱と冷却のサイクルが繰り返されることから試料がひずむ可能性が高くなる.また,熱伝導型の溶接を適応する報告もなされているが■■,試料厚さに対して大きな接合領域を必要とする.一方,フラウンホーファー・レーザ技術研究所はピークパワーが高いパルスレーザを高速で走査する溶接手法■■■■■■®を開発し,試料のひずみを抑えた溶接が可能であり,高反射率の材料へも適応できると報告している ■.しかし,試料厚さが非常に小さい場合,入熱により試料のゆがみは容易に生ずる■■.また,より微細な溶接ビードが求められている.それらを満足するためには,微細なビードであり,かつ試料への投入エネルギーを低く抑える必要がある.つまり,微細スポットに集光された高いエネルギー密度を高速で走査する手法により,ひずみの低減と微細ビードが期待できるなど,高速走査と微小スポットの組み合わせは薄板の溶接に有効であると考えられる.そこで本研究では,微小スポットのレーザ光を,材料の保持に自由度を持たせることが可能なガルバノスキャナシステムで高速に走査する手法に関し,ステンレス箔の高速微細レーザ溶接特性を検討した.また,試料の変形量を低減するための取り組みに関して検討した内容に関しても述べる.ビーム径の異なるパルスレーザとシングルモードファイバレーザをガルバノスキャナにより高速走査し,金属薄板の微細レーザ溶接の基礎的特性に関して検討を行った. ■■実験方法実験装置の模式図を図1に示す.発振器には波長■■■■■■のシングルモードファイバレーザ(■■■社製■■■■■■■)と波長■■■■■■■のパルス■■■■■■レーザ(■■■■社製■■■ ■)を用いた.光ファイバにより導かれたレーザ写写真真位位置置■1.まえがき2.溶接特性に関する検討*岡山大学 大学院自然科学研究科 准教授光は焦点距離■■■■のテレセントリックタイプfθレンズで集光されており,焦点におけるスポット径■■は各々  µ■,■■■µ■である.試料には厚さ ■µ■のステンレス(■■■■■■■■■■■)を用い, ×■■■■の開口部を有するプレートにて固定した.溶接実験はシールドガスを用いない大気中とし,焦点を試料表面に合わせて行った.溶接長さはシングルモードファイバレーザの場合は■■■と一定とした.また,パルスレーザではパルス幅 ■■■を一定としたことから,溶接長さはパルス幅とレーザ光走査速度の積の値である.図■溶接特性検討におけるレーザ光照射装置の模式図 ■ ビードオンプレート溶接 ■ ■■ステンレス箔の溶接範囲薄板は裏面からの熱流速の反射や,熱量の蓄積のために厚板に比べて温度が上昇しやすく,入熱量をより高精度に制御することが必要となる.そこで,図2に示すように,レーザ出力とレーザ光走査速度を変化させて厚さ ■µ■のステンレス箔のビードオンプレート溶接を行い,溶接可能範囲を検討した.図2ff■■に示すパルス■■■■■■レーザでは,レーザ出力の上昇にともなって溶接可能範囲が広がっている.一方,スポット直径が小さいシングルモードファイバレーザでは,図2ff■■に示すように,スポット直径の大きなパルス■■■■■■レーザよりも広範囲で溶接条件を制御できる.また,■■■と低いレーザ出力で ■■■■■■■と非常に高いレーザ光走査速度まで溶接が可能であることから,試料への入熱を低減でき,ひずみの抑制に繋がることが期待できる.図3ff■■に示すように,スポット直径が大きいパルス■■■■■■レーザの場合,レーザ光照射開始点側では溶接ビY. OkamotoLaser sourceWelding seam10 mmFixation plateScannerfθlensFiberCCDcameraLaser beamSpecimen- 68 -高速レーザ走査を用いた高速レーザ走査を用いた金属箔の精密微細溶接法の開発金属箔の精密微細溶接法の開発岡本 康寛*岡本康寛Review

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