率縮圧終最図6 α = 75 %, Ff = 200 kNにおける最終圧縮率と荷重振 4.荷重振動圧縮による摩擦低減メカニズム7) 4.1 荷重振動の有限要素シミュレーション 荷重振動では加工荷重が大幅に低減するが,その効果を4回目の荷重振動前後の変形形状を図8に示す.素材は除荷前において圧縮工具と全面で接触しているが,α = 75%の除荷において素材周辺部に14μmの隙間が生じている.圧縮加工では,中心部が高い面圧分布になって圧縮工図5 n = 4, Ff = 200 kNにおける4回目の再負荷の荷重低重荷縮圧重荷終最 図4 Ff = 200 kNにおける荷重振動ありとなしの荷重ス率下低重荷FΔNk[ FFFΔNk[α = 75%, Ff = 200 kNにおける最終圧縮率と荷重振動回数の関係を図6に示す.荷重振動回数が増えるとともに最終圧縮率は大きくなり荷重低減の効果が大きくなるが,n = 12以上ではほとんど変化しなくなる. ]%[fr05 ]01 ]%[i/50 ]fF 図7 最終荷重と最終圧縮率の関係 0501020荷重振動回数n15α=0%α=50%,n=4α=75%,n=45560最終荷重Ffは80-200kNである.荷重間隔は最終荷重をn+1で除した値になる. 3.荷重振動による加工荷重の低減7) 除荷率α =0, 75%,荷重振動回数n = 4,最終荷重Ff = 200 kNにおける圧縮荷重-ストローク曲線と圧縮後の素材を図4に示す.ここで,最終圧縮率rfは圧縮前後の素材中心の板厚差を初期板厚で除したものである.荷重振動を行うことによって圧縮荷重は大幅に低減しており,荷重振動なしでは最終圧縮率rf = 54.2%であるのに対し,荷重振動ありではrf = 65.6%に増加し,直径も大きくなっている.荷重を全て除荷しなくても,一部だけ除荷することによって大きな荷重低減効果が得られている.また,荷重-ストローク曲線を比較すると,荷重振動ありでは再び負荷したときに除荷前よりも荷重がΔFだけ低下している. トローク曲線と圧縮後の素材 下率と除荷率の関係 n = 4, Ff = 200 kNにおける4回目の再負荷の荷重低下量ΔFを除荷前の荷重で除した荷重低下率ΔF/Fiと除荷率の関係を図5に示す.荷重低下率はα = 25 %以下では大きくないが,それ以降では除荷率にほぼ線形で増加し,α = 90 %で27 %程度の荷重低下率となっている. 302520151025α=75%,n=4α=0%200150100500.5ストロークs[mm]除荷率α[%]507518.2mmrf= 65.6%1.515.4 mmrf= 54.2%動回数の関係 各種の条件における最終荷重と最終圧縮率の関係を図7に示す.α = 75 %, n = 4の荷重振動ありでは,荷重振動なしの半分ぐらいの最終荷重で同じ最終圧縮率を得ることができ,荷重の一部を数回除荷しただけでも非常に大きな荷重低減効果が得られている. 有限要素シミュレーションによって調べた.市販有限要素ソフトABAQUSを用いて計算を行い,素材と工具は弾塑性体とした.有限要素シミュレーションの結果とα = 0%における実験の成形荷重が同じになるように,摩擦係数を0.18と求めた.計算は軸対称変形,上下対称とし,α = 75%, n = 4, Ff = 200kNの条件でシミュレーションを行った. 具が凹形状に弾性変形して素材はその形状に転写されるが,荷重振動によって圧縮工具が弾性回復して平坦形状に7060504030201020015010050100最終圧縮率rf[%]25306570- 23 -
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