FORM TECH REVIEWvol27
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写写真真位位置置 削削除除ししなないいF重荷縮圧 5353 0 図2 アルミニウム合金板の荷重振動圧縮に用いた工具 圧縮加工における荷重振動の経路を図3に示す.一定荷重間隔ごとにn回除荷を行い,最終荷重Ffまで負荷する.除荷前の荷重をFi,除荷率をαとし,除荷量はその積αFiである.除荷率αは0-90%,荷重振動回数nは0-30, Fiα×Fi図3 荷重振動圧縮おける途中除荷経路 図1 板鍛造における問題点 ででくくだだささいい プレス部品の高機能化および後加工削減を目的として,板鍛造が注目されている.板鍛造では積極的に材料を流動させて板厚に変化をつけて板材から複雑な形状部品を成形する加工であり,自動変速機用部品などの機能部品も板鍛造によって製造されている1).しかしながら,図1に示すように,通常の板材プレス成形では,板材は主に平面方向の引張りや圧縮変形によって成形されるが,板鍛造では板厚方向への圧縮変形が多く,工具との摩擦の影響が大きくなって変形が拘束され,加工荷重が増大する2).また,板鍛造製品は機能部品として使用されることが多く,要求される寸法精度が高くなっており,バルク鍛造製品以上の精度が要求されており,金型の弾性変形量も無視できなくなっている. スライドモーションが自由に制御できる機械式サーボプレスが開発され,その利用が増えている3).成形中に低サイクルで振動させることができるようになった.プレス加工や冷間鍛造において,自由なスライドモーションの特性を活かしたプレス成形や冷間鍛造などが検討されている4-6). 本研究では,薄板の圧縮加工において荷重を振動させて摩擦を低減する荷重振動圧縮加工法を開発した.荷重振動において,素材と金型の弾性回復変形の差によってそれらの間に小さな隙間を形成させて自動的に再潤滑した.アルミニウム合金板の圧縮加工を行い,荷重振動ありとなしの結果を比較し,荷重振動の効果を評価した.また,有限要素シミュレーションと腐食液による潤滑剤侵入部分の測定を行い,荷重振動による摩擦低減のメカニズムを明らかにした.加えて,この自動再潤滑をステンレス合金板の段差成形,軸部品へのフランジ成形への応用も検討を行った. 面方向の変形板材プレス板の圧縮→摩擦の拘束大機能部品→高精度荷重大摩擦だれ平面度摩擦板鍛造変位計荷重F素材圧縮板圧縮板精密万能試験機ストロークsストロークs1.まえがき *横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授T. Maeno 2.荷重振動加工方法7) 板材の圧縮加工において荷重振動の影響を調べるために,図2に示すように板厚2.0mm,直径10mmのA5052アルミニウム合金板を平坦な工具で圧縮した.250kN精密万能試験機を用い,圧縮工具は焼入れ・焼戻し処理を行ったSKD11であり,表面粗さは0.08μmRa,寸法は長さ70mm,幅100mm,厚さ35mmである.潤滑剤は水溶性プレス加工油サンプレスSE-65CP(スギムラ化学工業㈱製)を精製水で33%に希釈したものである. 100α: 除荷率n: 荷重振動回数Ff: 最終荷重F1FfFnF2- 22 -サーボプレスを用いた荷重低減をする低サイクルサーボプレスを用いた荷重低減をする低サイクル振動圧縮加工法の開発と振動圧縮加工法の開発とメカニズムの解明 メカニズムの解明前野 智美*前野 智美 Report

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