FORM TECH REVIEWvol27
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表1摺動摩擦試験片寸法11図1 摺動摩擦金型削削除除ししなないいででくくだだささいい サーボプレスが開発されてから15年以上経つが,サーボ機能を塑性加工技術に生かすための系統的な技術開発は行われていない.この分野で,我が国の優位性を確保するためには,一研究室の個別研究ではなく,共通目的を持った系統的な研究が必須である1,2).そのための産学連携共同研究体制として日本塑性加工学会の中にサーボプレス利用技術の高度化研究委員会を設置し,共同研究を実施している.2007年に「サーボプレス利用技術研究委員会」が発足し,2011年度でその4年間の活動を終えた,その成果を報告書にまとめられた3).2012年度から「サーボプレス利用技術の高度化研究委員会」(以降,高度化研究委員会と称す)として,4年間サーボプレス利用技術の研究開発活動を継続した.高度化研究委員会の研究活動の一部が天田財団の研究助成を受けて行われている.高度化研究委員会では,サーボ機構を塑性加工に有効に利用するための各種モーションによる素材変形や摩擦特性を実験的に評価し,そのメカニズムのモデル化やシミュレーション解析を実施した.また,加工への応用として,ステップモーションやパルスモーションを板材成形や鍛造に適用した場合の効果について検証した.本報告書では,本助成金によって実施された可変速度による板材の摺動摩擦試験,薄材の成形性に及ぼすモーション制御の効果,及びパルスモーション適用板鍛造での材料変形特性評価について,報告する.2.1実験装置と実験条件プレス成形時の摩擦係数を評価するため,低速から高速まで,任意の速度で摩擦試験が可能なサーボプレス機(SDE-2025 2000kN アマダ社製)を使用した.摩擦試験は,サーボプレス機に開発した摩擦試験装置を取り付けて行った.試験片は,長手方向が圧延方向と圧延方向に垂直に切り出した長方形のアルミニウム合金A5023-T4(表面ダル)を使用した.使用した試験片の寸法を表1に示す.プレス成形時の摩擦係数を評価するため,低速から高速まで,任意の速度で摩擦試験が可能なサーボプレス機(SDE-2025 2000kNアマダ社製)を使用した.摩擦試験は,写写真真位位置置 1.まえがき2.速度可変摺動摩擦試験*首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 教授a)試験前 b)試験後長さ(mm)幅(mm)厚さ(mm)2622603330サーボプレス機に開発した摩擦試験装置を取り付けて行った.試験片は,長手方向が圧延方向と圧延方向に垂直に切り出した長方形のアルミニウム合金A5023-T4(表面ダル)を使用した.使用した試験片の寸法を表1に示す.試験方向圧延方向垂直方向開発した摩擦試験用治具を図1に示す.a)が試験前,b)が試験終了時の様子を示す.実験時,まず二つの金型の間に両面に潤滑剤を塗布した試験片を挟み,片方の金型から油圧式の手動ポンプ(TWA-0.3 大阪ジャッキ社製)とフラットジャッキ(EF10S1.1 大阪ジャッキ社製),球面座金を使用して圧縮荷重をかける.荷重の測定は,圧縮型ロードセル(LCX-A-10kN 共和電業社製)を二個用いて測定した.荷重を負荷した状態で,サーボプレスを高速でスライドさせ,金型と試験片との摩擦力を引張型ロードセル(LUK-A - 15 -M. Yangサーボプレス成形におけるメカニズムの解明とプロセス設計に関する研究に関する研究楊  明*楊 明サーボプレス成形におけるメカニズムの解明とプロセス設計に関する研究Report

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