図17 自動化プレスライン工程図((株放電精密加工研究所) 参考文献 工程の一例であり,サーボプレスの制御性の良さを利用する一つの技術として期待できる. プレス加工のIT化にサーボプレスが最大のツールとなると期待されている.図17は,二段サイクロイドの鍛造全自動ラインである6).工法が半密閉冷間鍛造であることから素材の重量管理が重要であり,加工前に全数素材の重量を測定し,重量に応じプレス側にデータを送るしくみになっている.鍛造工程では変形速度に伴う被加工物の温度上昇を防ぐために加工速度コントロールを行い,スライドの平行制御,下死点制御などで高精度な製品を鍛造している.その後は研削,バリ取り,洗浄,計測・検査,梱包と進んでいく.全ての項目がデジタル化された情報となっており,それをどう生かすかが重要である. 11.まとめ 日本のオリジナル技術であるサーボプレスは,今後のIT化やAI化に対してデータ処理,情報処理の点からもいろいろな可能性を持っており,これを新しい製品開発に活用し,付加価値の高い製品を生み出すための武器として活用したい.産官学の益々の連携を期待する. 1) 小特集号:サーボ技術の拡大と実用化:塑性と加工,45-526,(2004). 2) 小特集号:サーボプレスの動向:塑性と加工,49-565,(2008). 3) サーボプレスの現状と展望:第282回塑性加工シンポジウムテキスト,日本塑性加工学会,(2010). 4) Osakada, K., Mori, K., Altan, T., Groche, P.:CIRP Annals, 60-2(2011), 651-756. 5) 特集号:サーボプレスによる金型・成形技術の最前線,型技術,27-10(2012). 6) 特集号:最新サーボプレスの理論と実際,素形材,57-6(2016). 7) 西真弘:型技術 ,27-10(2012), 44-50. 8) Ishikawa, T., Ishiguro, T., Yukawa, N., Goto,T.: CIRP Annals, 63-1(2014), 289-292. 9) 阿部英嗣,後藤貴充,湯川伸樹,石川孝司:第66回塑性加工連合講演会講演論文集,(2015), 516. 10) 前野智美,小坂田宏造,森謙一郎:塑性と加工,50-585,(2009),951-955. 11) 阪口稔:METAL FORM,51(2014), 7-8. 12) 安藤弘行:第35回鍛造実務講座テキスト,(2008),47-52. 13) 金秀英:第308回塑性加工シンポジウムテキスト(2014),13-20. 14) 有馬達男:素形材,55-1(2014),21. 15) 坂口製作所資料 16) 2014-2015MF技術⼤賞資料:https://www.j-fma.or.jp/2jig/mf-g2014-2015/mf_g-seihingaiyou.pdf. 17) 山岡良祐,湯川伸樹,石川孝司,山田幸浩,野田拓也,三吉宏治:平成23年度塑性加工春季講演会講演論文集,(2011),418. - 14 -
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