9.工程削減 図13のような長物部品は従来,押出し軸中間部の精度を確保するため,ヘッダープレスで端面調整と上面の押出 成形時の速度を大幅に下げることで工具磨耗を低減でき,20,000ショットまで金型の寿命を向上できた15). 図12 鍛造品((株)坂口製作所) し加工を行った後,冷間鍛造プレスで下面の押出しをするという3工程で成形(図14(a))していた.工程数が多い分だけ金型費や金型メンテナンス費が必要となる.さらに対象製品形状では,製品をノックアウトするときの摩擦抵図13 軸物鍛造 (KOMASTU) 図14 工程の改善(KOMASTU) 抗が大きく金型の早期破損が発生していた.これをサーボプレスとサーボノックアウトを使用して1工程(図14(b))で絞りと押出しを実現した16).上型パンチが素材上端に 接触する時点から下死点の間のみ低速にするモーションにすることで加工発熱による温度上昇を抑え,上下端部の外径バラツキが1/2以下に減少した.さらにプレス工程の短縮により,プレス台数の削減とサイクルタイムの短縮が達成されコストダウンにつながった. 10.外部装置との同期・連動 サーボプレスはスライドモーションを自由に設定できると同時に外部装置との同期が容易である.アームロボットとの同期逐次鍛造を試みた17).逐次鍛造は,高価な金型を省略できるとともに従来の手法では不可能な成形を可能とするフレキシブルな加工技術として注目されている.サーボプレスと多軸ロボットを連動させた逐次鍛造システムを開発し,材料歩留まりの悪いコネクティングロッドの荒地成形に適用した.FEM解析を用いて材料の圧縮位置,圧縮量を変化させながら,最終形状から最適な加工プロセスを逆算し,その成形経路を元に全自動成形を図った.システム概念図を図図1155に示す.パソコン上でロボットプログラムを作成した後,それをロボットコントローラへ移し,ロボットとプレスを連動させ鍛造を行った. 図16は鍛造図15 サーボプレスとロボットによる逐次鍛造 図16 鍛造工程の例 - 13 -
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