FORM TECH REVIEWvol27
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写写真真位位置置 削削除除ししなないい ででくくだだささいい 3.スプリングバック抑制 高張力鋼板は高降伏応力のためスプリングバックが大 2.成形性向上 成形性の悪い高張力鋼板やステンレス鋼板,アルミニウ T. Ishikawa し,サーボモータにより直接ラムを駆動するためスライドモーションが自由に設定できることから,CNC化された機械プレスとして期待が広がっている.図1はスライドモーションの例で,パルスモーション,プログラムモーション,振り子モーション,コイニングモーションなど従来の機械プレスでは実現できないモーション設定が可能である.また,その制御性の良さからダイクッション,背圧付加装置などの外部装置との同期も容易である.そのため各方面で導入が進みその効果についての報告も増加している1)-6).サーボプレス利用の効果は, 1)成形限界・成形性向上,2)高精度化,3)工程削減,4)荷重低減,5)金型寿命向上,6)材料流動制御,7)割れ・欠陥回避,8)緩和現象の利用,9)熱間加工におけるプロセス制御,10)騒音,振動削減,11)外部装置との同期などが考えられる.ここではこれらサーボプレスの利用技術について紹介する. 図1 スライドモーションの例 ((株)アマダ) ム合金板のプレス成形に成功した例がいくつか報告されている.SUS304ステンレス鋼板ではプレス速度が遅いほど,また,逆にアルミニウム合金板では成形性が向上することが報告されている5).図2はSUS304Lステンレス鋼板1.まえがき サーボプレスは,1990年代に日本発の技術として登場*中部大学 機械工学科 教授(名古屋大学名誉教授)の成形品で,従来の機械プレスではワレが生じるが図中のスライドモーションでプレスすることでワレのない良品を得ることができる.予備成形で頭部を張出し成形し,その後の深絞り加工で胴体部を成形,下死点近傍で逐次成形による頭部の段差形状を成形している. きくその抑制が技術課題となっている.図3に示すハット曲げチャネル部品の成形では,最初の曲げ絞りのみでは形状凍結できないので(写真右),その後の2回のリストライク加工によりスプリングバックを抑制している.サーボプレスならではのスライドの動きを適用している. 4.高精度化 一般のメカニカルプレスによる冷間鍛造では,加工発熱や環境温度の影響で生産時間とともにダイハイトが変動して寸法精度が確保できず,途中でプレスを停止してアジャスト調整の段取りが必要となる.サーボプレスの下死点を監視して自動的に補正する機能を使用することで,長時図2 ステンレス鋼板の異形形状深絞り (アイダエンジニアリング(株)) - 10 -石川 孝司*石川 孝司 サーボプレスの特徴とその利用技術サーボプレスの特徴とその利用技術 特別講演

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