功8研究室訪問2早稲田大学大学院 情報生産システム研究科志村 考早稲田大学大学院・志村考功教授たかよし 教授大学時代から放射光X線による結晶表面界面・薄膜の研究に従事 志村教授は、X線による表面回折の研究を行い、1994電子デバイスと光通信技術を効率的に融合 「赴任したばかりで研究設備、スタッフが十分ではありま2024年度「重点研究開発助成」にレーザプロセッシング分考功教授の研究テーマ「レーザー溶融結晶化による結晶成長プロセスの現象の理解とその制御」が、天田財団の野で採択された。この研究は、形成される単結晶GeSn細線による室温動作、低しきい値でのレーザー発振を実証し、次世代光電子融合デバイスに向けたゲルマニウム受発光素子の開発を目指している。 ヒューマンインターフェースとしてのVR技術の普及や、現実世界のデータを用いたサイバー空間を再現するデジタル技術により、生産プロセスなどが大きく変わろうとしている。これらを実現するには3次元情報をリアルタイムに伝送するための膨大な情報処理が求められ、従来のシステムでは通信速度とデータ処理速度が限界に直面している。さらに、IoTの進展にともなうネットワークに接続するデバイスの指数関数的な増加は、膨大なエネルギー消費を引き起こしている。特にデータセンターの電力消費量の増加は世界的な問題となっており、その影響が懸念されている。次世代光電子融合デバイスのためのゲルマニウム受発光素子を開発する 早稲田大学大学院 情報生産システム研究科の志村 エレクトロニクスの基盤材料であるシリコン(Si)は間接遷移型の半導体であるため、光源材料としての利用が困難である。一方、光通信で光源材料として一般的に用いられているⅢ-Ⅴ属化合物半導体はSiに対してドナー/アクセプタとして作用するため、Siプロセスとの整合性に課題がある。Siプロセスと高い整合性を持つⅣ族材料で光源が実現できれば、光電子融合デバイスの破壊的なイノベーションを引き起こすと期待される。年に名古屋大学で博士号を取得した。その後、大阪大学に移り、1998年に工学研究科助手、2007年に工学研究科准教授を経て、2024年4月に早稲田大学大学院 情報生産システム研究科の教授に着任し、半導体デバイス材料の評価や材料研究を推進している。 また、兵庫県にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設「SPring-8」を活用した半導体デバイス材料の研究も継続されている。現在、志村教授の研究室は北九州市若松区ひびきのにある早稲田大学北九州キャンパス内にある。ここは「北九州学術研究都市」と呼ばれ、理工系の国公・私立大学や研究機関、先進企業が同じキャンパスに集まり、先端的な科学技術の研究が活発に行われている。せん。学生もM1の6名が配属されたばかりで、4月に4年 「インターネットを基盤とした情報通信網の発達は社会の構造に大きな変革をもたらしてきました。さらに今後、情報化の進展がいっそう加速し、AIやIoT技術が日常生活に生1名の配属が決まったところです」。次世代光電子融合デバイスに向けたゲルマニウム受発光素子の開発研究成果で光電子融合デバイスの破壊的イノベーションを引き起こす
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