天田財団ニュース No18
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6研究室訪問1 産業技術総合研究所製造基盤技術研究部門 (レーザー加工フロンティア研究グループ)技術の開発を目指している。 奈良崎氏は、レーザープロセス開発とレーザー光源・計測の専門家が同じグループにいる優位性を生かし、エレクトロニクス・製造・医療・バイオ・環境など主要産業分野に貢献しながら、“新たな価値”を提供する技術開発を率先垂範している。質から軟らかい物質、複合材を含めたマルチマテリアルに適用でき、難加工材の精密加工も可能な製造技術として期待されている。一方で、レーザー加工では複雑に相関する複数のパラメータが存在し、各種材料に対する最適条件を導き出す工程数が膨大なため、レーザー加工技術の真の産業実装にはプロセス条件の高速最適化技術の開発が急がれている。 これまでは技術者の経験と勘を頼りにプロセス最適化してきたが、産業競争力の強化や省人化のためには、より早く最適化できる仕組み(システム)が求められている。すでに国内外で、レーザー溶接などのマクロ加工を中心に、インプロセスモニタリングや、機械学習などのAI技術を活用した研究開発が進められている。 そうした中、奈良崎氏の研究グループは、超短パルスレーザーによる微細加工を対象に、技術者の五感となるインプロセスモニタリング技術、それらのデータから高速最適化を実現する機械学習法、そして最適化パラメータに高速応答する超高速レーザー制御技術といったコア技術の研究開発を通じて、データ駆動型レーザー加工の開発に取り組むようになっていった。スで高効率に収集できるリアルタイムモニタリング技術、データを高速最適化できるAI技術、そして最適化指示に応答副研究部門長産業技術総合研究所・奈良崎愛子副研究部門長崎愛子副研究部門長の研究テーマ「データ駆動型レーザー内部描画による超低損失コパッケージドオプティクス開発」が、天田財団の2024年度「重点研究開発助成」にレーザプロセッシング分野で採択された。奈良崎氏は2017年度にも「早期治癒を支援するレーザー生理活性コーティング技術開発」という研究テーマで「重点研究開発助成」に採択されており、同財団の「重点研究開発助成」に採択されるのは今回で2度目。 奈良崎氏は京都大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 博士後期課程で、新しいガラスを用いた非線形光学材料研究でレーザー光を使った物性測定に取り組み、2000年に博士(工学)の学位を取得。同年4月に工業技術院(現・産業技術総合研究所)に就職した。 深紫外から中赤外まで各種波長のナノ秒からフェムト秒パルスレーザーを駆使して、ガラスの表面微細加工や多様な材料のレーザー転写プロセスの研究開発を行うなど、レーザーを利用した材料加工・新物質創製・物質デリバリーなど、さまざまなレーザープロセスを研究することで、これからの新しいものづくりや医療などの産業分野に貢献できる新しいものづくり・医療などの産業分野に貢献できる技術の開発を目指して 産業技術総合研究所 製造基盤技術研究部門の奈良データ駆動型レーザー加工の研究 レーザー加工は、非接触加工の特徴を生かして硬い物ガラス表面へのナノ周期構造形成を光で検出できる技術を開発 データ駆動型レーザー加工は、必要なデータをインプロセ奈良崎 愛子 データ駆動型レーザー内部描画による超低損失コパッケージドオプティクスの開発データ駆動型レーザー加工を駆使した産業実装に挑む

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