5 □□□ 浅田淑□□□ 後藤全財団名 理事長 専務理事 浅田 淑事務局長 後藤 全 ※役職は2025年3月取材時所在地 電話 事業内容 URL 公益財団法人 軽金属奨学会今須 聖雄大阪市中央区久太郎町3-6-8東洋アルミニウム株式会社内06-6271-3179 軽金属に関する学科目を教育・研究している大学・公的研究機関の研究グループ・研究者に教育研究資金・研究補助金を交付・助成奨励し、軽金属工学の進歩に寄与することhttps://www.lm-foundation.or.jp/途切れることなく続く「教育研究資金」「研究補助金」人材育成事業にもっと注力したい2024年12月に開催された「統合的先端研究成果発表会」の質疑応答の様子70年にわたって大学を中心とした学術・研究機関に関わっ専務理事は「当財団の基幹事業である『教育研究資金』の対象は軽金属に関する学科目を教える日本の大学・公的研究機関の、原則として常勤の教授(特任を含む)、『研究補助金』は軽金属に関する日本の教育機関、または公的研究機関の原則として常勤の研究者(ただし大学では准教授、講師、特任を含む助教。短期大学、工業高等専門学校では教授、准教授、講師、助教。公的研究機関では無期雇用の研究員)となっています。設立以来ていらっしゃる多くの研究者に助成支援を行っており、我が国の軽金属工学の進歩・発展に幾何かの貢献ができたのではないかと思っています」という。事務局長は「当会は軽金属に関する研究・教育を助成奨励することで軽金属工学の進歩に寄与する財団で、『公募型助成事業』と『非公募型事業』を展開しています。『公募型助成事業』としては、教育研究資金・研究補助金のほかにも、課題研究、統合的先端研究、海外交流補助金、奨学金、シンポジウムなどがあります。また、『非公募型事業』としては、研究試料提供、出版刊行、研究成果発表会、オンラインでの研究成果発表、図書寄贈、表彰などを行っています。一件あたりの助成金額としては『教育研究資金』の年額が30万円、『研究補助金』が年額20万円となっています。課題研究や統合的先端研究は大型助成であり、2年間で一人あたり最大1,000万円が助成されます」と説明する。 浅田専務理事は「文部科学省が発表する、日本の研究力を示す『科学技術指標2024』によると、日本の科学論文の総数は昨年と同じで世界5位。一方、『注目度の高い論プ10%)では13位。このトップ10%補正論文数は質の高た3Dプリンターを用いて軽金属の粉末素材を積層し立文』として引用された回数が上位10%に入る論文数(トッい研究の指標とされ、日本は過去最高の3位から下落傾向が続いています」。 「その背景に大学などの研究者数の減少、高齢化、さらには博士課程への進学者が減少していることも大きな問題として挙げられます。今後さらに少子高齢化が加速し、こうした傾向に拍車がかかることが懸念されます。また、研究者の中には研究資金力が高い海外へ流出する傾向も強くなっています。日本の科学技術の発展のためにも、環境整備も含めて新しい施策の実現が必要になっています」。 「そうした状況の中、当財団では未来の研究者・科学者を育てる種まきとなる人材育成事業に、もっと注力していきたいと考えています。現在の大学院生を対象とする奨学金事業をさらに拡大させていくこと。小中学生など、多くの子どもたちに理科や科学のおもしろさや楽しさを感じてもらう、斬新な事業プログラムの実施を計画しています」。 「また軽金属工学では最近、レーザ加工技術を応用し体を造形する加工方法、アディティブマニュファクチャリング(AM)を研究する研究者が増えており、レーザ応用という視点で天田財団様の助成対象と重なる部分が出てきています。同じ志を持つ財団と連携し、教育機関、国や地域社会を巻き込んで協働できる体制づくり進めていきたい。是非、天田財団様とも連携を行っていきたいと思っています」という。 同財団は浅田専務理事、後藤事務局長、氏江達之事務局長補佐の3名と、女性スタッフ3名で活動している。大阪・淀屋橋近くのビジネス街、本町にある東洋アルミニウム㈱本社内に事務局があり、立地環境に恵まれている。 設立から70年という歴史ある同財団のリーダシップに期待していきたい。財団情報
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