天田財団ニュース No18
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□央□□ 研究室には天野浩教授、本田善研究室訪問6名古屋大学大学院 工学研究科 電子工学専攻久志本 真希 准教授名古屋大学大学院・久志本真希准教授本真希准教授の研究テーマ「極短共振器を用いた深紫外半導体レーザーの光学特性解明」が、天田財団の2024年度「奨励研究助成(若手研究者)」にレーザプロセッシング分野で採択された。 久志本准教授は2007年に名古屋大学 工学部へ入学した後、名古屋大学大学院 博士課程前期、博士課程後期と進学、2016年3月には博士号(工学)を取得した。同院 工学研究科 電子工学専攻の准教授に昇任。同大学院 工学研究科 電子工学専攻の天野・本田研究室のメンバーとして、活動している。名、特任助教2名、研究員5名のほか、学生はM2が7名、など50名以上が所属している。年5月からは名古屋大学大学院 工学研究科の助教となり、2022年に同大学院 工学研究科の講師、2024年に同大学授1名、特任准教授2名、久志本准教授を加えて准教授2M1が6名、学部生が7名となっており、研究補助員、秘書研究の歩み――学生時代から半導体デバイスに関する研究を行う 名古屋大学大学院 工学研究科 電子工学専攻の久志教授をはじめ特任教 天野・本田研究室では、新分野で世界を先導する人材の養成を目的に、結晶成長、紫外光・可視光発光ダイオード、半導体レーザー、フォトトランジスタ、電力変換用パワーデバイス、高周波デバイスに関する研究を行っている。研究課題は、高品質な窒化物半導体の結晶成長技術および物性評価法の開発、さらにLEDやレーザーなどの発光デバイス、高耐圧スイッチングデバイスなど、窒化物半導体を用いた新規デバイスの実証や高効率化を目指している。半導体デバイスの作製などに取り組み、多角的な視点から半導体デバイスの研究に従事してきた。そして、経験を通じて局所的な最適化にとどまらず、全体を見据えた最適化をはかることの重要性や、それぞれの知識の相互的な理解が必要であることを学んできた。こうした知識や経験を活かして研究してきたのが、深紫外半導体レーザーの室温波発振の実現だ。 半導体レーザーは小型で高効率かつ低コストなため、光源として、検査システムなどに広く利用されているが、深紫外光を発する半導体レーザーの実現には光の増幅度や温度上昇によるしきい値電流の増加など、多くの課題が存在していた。 久志本准教授はこれらの課題を解決するため、窒化アルミニウムを単結晶として成長させた基板、単結晶AlN(窒化アルミニウム)基板を用いることで、アルミニウム(Al)と窒素(N)とガリウム(Ga)から構成される化合物、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)結晶の欠陥低減と、従来手法とは異なる伝導性制御技術を用いて、パルス(パルスは一時的な電流の変化)電流注入による深紫外半導体レーザーの実証を行った。さらに、多角的な評価を行うための測定システムを構築することで、デバイス性能の低下の主な原因は欠陥形成であることを明らかにした。深紫外半導体レーザーの室温波発振の実現 久志本准教授は学部生のころから半導体結晶成長や、16極短共振器を用いた深紫外半導体レーザーの光学特性を解明する深紫外半導体レーザー技術の実用化を推進し、ものづくりの分野に貢献する

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