主催者挨拶を行う天田財団・伊藤克英代表理事理事長発表会のテーマの趣旨説明を行う電気通信大学・久保木孝教授(天田財団役員)住友重機械工業㈱・野際公宏主席研究員による企業講演の様子術のイノベーションこそが課題を解決して次の時代を切り拓く原動力です。当財団は次の時代を拓くイノベーターを応援するべく研究開発助成を続けております」。 「私が常に発信してきた言葉があります。それは『二番じゃダメ、常に一番を目指してください』です。天田財団は常に一番を目標にする研究者に助成を行いたいと考えています」と挨拶した。3テーマは「先進チューブフォーミング」 天田財団は5月16日、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで「第21回 塑性加工助成研究成果発表会」を開催した。 今回のテーマは「先進チューブフォーミング」。今年も昨年同様、ハイブリッド方式(会場+オンライン)での開催となった。会場の参加者数は96名、オンライン視聴事前登録者数は18名、合計114名となった。 発表会の冒頭、天田財団・伊藤克英代表理事理事長は「当財団は1987年に創立され、今年で37年目をむかえます。金属等の塑性加工分野およびレーザプロセッシング分野を対象に研究開発と国際交流促進のための助成を行っており、創立以来の累計助成金額は39億8,807万円、累計助成件数は2,234件となりました。本日の助成研究成果発表会は、助成研究の成果を広く産業界に普及啓発し、社会実装につなげる活動の一環として位置づけています」。 「科学技術の分野ではDXへの対応やSDGsの達成、カーボンニュートラルの実現など、喫緊の技術的課題が山積しています。我が国は昨年、GDPでドイツに抜かれ4位に転落しました。ドイツの国土面積はほぼ日本と同じで、人口は3割少なく、OECD加盟国の中では最も労働時間が少ないうえに、休暇日数は世界トップクラスです。そのドイツに抜かれたのです。来年はインドに抜かれ、5位に転落するとの報道があります。資源のない我が国にとって、科学技助成研究成果4件と企業講演を発表 続いて、電気通信大学・久保木孝教授(天田財団役員)が、「社会に貢献するチューブフォーミング」と題して今回のテーマの趣旨説明を行った。 第1部の「研究成果発表」では、高エネルギー加速器研究機構・山中将教授が「液圧成形による超伝導加速空洞の製造」、大同大学・内海能亜教授が「超薄肉方形管と偏心円管の曲げ加工における変形および加工特性」、東海大学・吉田一也客員教授が「新しい引抜き法による注射針、医療用ステント用極細径薄肉管の製造」、関西大学・青柳誠司教授(インタビューはP20~掲載)が「蚊の針のサイズを追求した中空マイクロニードルの微細成形加工」と題して、助成研究成果の発表講演を行った。 第2部の「企業講演」では、住友重機械工業㈱・野際公宏主席研究員が「鋼管の熱間エアブロー成形による自動車骨格部材向け成形プロセスの開発」と題して講演を行った。「第21回 塑性加工助成研究成果発表会」を開催
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