学会名 所在地 電話 主要事業 研究発表会・討論会・交流会などの開催、会誌および図書の発行、関連学協会との連絡・協力、塑性加工に関する理論および技術の研究・調査ならびにその奨励・表彰、規格案・資料などの作成またはその協議、広告事業などhttp://www.jstp.jp/URL 一般社団法人 日本塑性加工学会東京都港区芝大門1-3-11 Y・S・Kビル4階03-3435-8301❶❶❶論文誌「塑性と加工」・会報誌「ぷらすとす」Vol.7 No.081(2024年9月号)/❷東京都港区にある日本塑性加工学会の事務局❷❷ 日本塑性加工学会の第60期会長の柳本潤氏(会長インタビューはP13~掲載)は日本塑性加工学会のWebサイトの会長挨拶で「多くの法人、個人の会員に支えられて日本塑性加工学会は成り立っている。その一方で、『塑性加工に関する研究発表、研究の連絡、協力および促進を図り、もって塑性加工に関する学術の進歩向上に寄与することを目的』とする共同体である日本塑性加工学会の活動は、残念ながら強い向かい風を受け続けていると言わざるを得ない」と述べている。 科研費をはじめとする研究費に対する国の助成が先細りしてきている。また、塑性加工学を学ぼうとする学生が減少傾向になっている。さらに、大学の中で塑性加工学を教え、日本のものづくりを支える生産技術としての塑性加工技術を研究・開発する研究者の数が減るとともに高齢化も進み、工学系大学で塑性加工学を教育・研究する研究室も減少している。日本塑性加工学会は企業所属会員が80%を占めているため、こうした会員の要望を満たしていくことも重要となっている。 会員数の減少によって会費収入が減少し、財政状況に悪化傾向がみられており、健全な財政を保ちつつどのような事業を行っていくかが大きな課題となっていた。柳本会長は就任後からは財政状況改善のための事業の見直し、会員増強対策を矢継ぎ早に打ち出し、財政状況改善の兆しを見せているが、肝心の会員の減少に歯止めはかかっていない。演会・出版担当が1名、編集・校閲・広告担当が1名、会員・広報担当が1名で井村局長は全体を束ねている。 「会員数の減少は大きな問題ですが、さいわい賛助会員の数は大きく変わっていません。正会員は学術分野と産業分野に分かれますが、産業分野の会員が多い。そのため、企業向けのシンポジウム、フォーラムなど、発表会の企画などに取り組んできました。学会の目的や活動方針に従って、塑性加工学の発展とそれによる社会貢献に力を入れています。そのために研究者間の連携や協力をはかりながら、塑性加工に関する学術の進歩・発展を目指しています」と井村局長は語っている。 そうした企画の中から実際に、塑性加工と関連がある日本鉄鋼協会、軽金属学会、精密工学会などの学会や学術団体と協賛した「連合講演会」を企画・実施している。また、出版については、「新塑性加工技術シリーズ」の発刊がおおむね終了したので、今後はYouTubeなどでの動画教材の提供や新たなプラットフォームの利用を通じ、学会が維持している教育の機能を強化していく予定となっている。また、英語による研究成果の発信に関しては、明らかに後れを取っているという指摘もあり、コストとの兼ね合いもあるが検討を進めている最中だ。学会情報17学会を支える事務局は4名とアルバイト1名 こうした中で今力を入れているのが事業活動。特に出版については、「新塑性加工技術シリーズ」の発刊がおおむね終了。今後は動画教材の発行や新たなプラットフォームの利用を通じ、日本塑性加工学会が維持している教育の機能を強化していく予定だという。 学会活動を支えているのが井村隆昭事務局長ほか3名の事務局スタッフに1名のアルバイト職員。庶務・経理・講女性研究者の活躍をサポート 今後の検討課題の一つに、女性会員を増やすとともに、塑性加工学を学ぶ女子学生を増やす取り組みがある。塑性加工学は男性の学問というイメージがあるため、これを打破していく必要がある。そこで学会有志の女性研究者が学会や講演会のあとに集まって話し合いを行っている。女性のみではなく多様な人たちが集まり、素材の形を残したまま混ざって付加価値が高くなることを目指して「サラダボウルミーティング」として活動するようになった。将来的にはワーキンググループに位置づけ、女性研究者の活躍をサポートをする。こうした改革をとおして日本塑性加工学会のさらなる発展を目指していく。
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