「第20回 塑性加工助成研究成果発表会」には会場とオンラインを合わせて181名が集まった発表会の冒頭で挨拶をする天田財団・末岡愼弘前代表理事理事長(6月17日に退任)今回の発表会のテーマを紹介する東京工業大学・吉野雅彦教授(天田財団役員)た。公益事業を通じて日本のものづくりに貢献するため、これからもいっそうの努力を続けてまいります」。3ハイブリッド方式で開催、100名超が参加 天田財団は6月9日、名古屋工業大学(愛知県名古屋市)4号館ホールで「第20回 塑性加工助成研究成果発表会」を開催した。会場の参加者数は109名で、オンライン視聴事前登録者数は72名だった。 今回の発表会は、6月9日〜11日の3日間、名古屋工業大学で開催された日本塑性加工学会の「2023年度塑性加工春季講演会」の協賛行事として、「塑性加工を利用した接合技術の応用」をテーマに開催された。「人を育て、知を拓き、未来を創る」 発表会の冒頭、天田財団・末岡愼弘前代表理事理事長は次のように挨拶した。 「世界経済は新型コロナウイルスのパンデミックによる影響から徐々に回復していますが、2022年2月から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻、石油をはじめとした燃料・原材料価格の高騰による世界的なインフレの影響が出ています。その一方で、科学技術の分野ではDXへの対応やSDGsの達成、カーボンニュートラルの実現など、技術的な課題が山積しています」。 「当財団は『人を育て、知を拓き、未来を創る』という運営理念を掲げ、研究者のみなさまを応援しています。2022年度の助成研究テーマは108件、助成金額は2億7,486万円となりました。1987年の財団創立以来、累計助成件数は2,108件、累計助成総額は37億1,551万円となりまし「塑性加工を利用した接合技術の応用」 研究成果の発表に先立ち、東京工業大学・吉野雅彦教授(天田財団役員)が今回のテーマ「塑性加工を利用した接合技術の応用」について「塑性加工による接合には、鍛接や摩擦圧接、爆発接合、摩擦攪拌接合(FSW)などの固相接合、およびリベット、かしめ、ヘミングなど機械的接合があります」と紹介した。 引き続き、4名の研究者による助成研究成果発表が行われた。香川大学・吉村英徳准教授が「0.1㎜薄板オーステナイト系ステンレス鋼の突合せ摩擦攪拌点接合法の開発」、芝浦工業大学・青木孝史朗教授が「超微細アルミニウム合金板材を用いた摩擦撹拌接合による高継手効率継手の開発」、千葉大学大学院・糸井貴臣教授が「電磁圧接による超ハイテン鋼板とアルミニウム合金板との高速接合」、崇城大学・友重竜一教授が「熱間爆発圧接法を用いたセラミック-金属接合体の作製技術の開発とその応用」について、それぞれ発表した。 その後は、産業分野での取り組みを紹介する2件の企業講演が行われた。日産自動車・樽井大志氏が「自動車のマルチマテリアル化とそれに伴う接合技術動向」、トヨタ自動車・鵜飼須彦氏が「高強度塑性結合法の開発と自動車部品への適用」について講演した。「第20回 塑性加工助成研究成果発表会」を開催
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