天田財団ニュース No15
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発表会の冒頭で挨拶をする天田財団・末岡愼弘前代表理事理事長(6月17日に退任)今回の発表会のテーマを紹介する大阪大学・塚本雅裕教授(天田財団役員)企業講演では日本AM協会・澤越俊幸専務理事が「技術面」からテーマの分析を行った員)が「カーボンニュートラル社会実現に貢献するレーザアディティブマニュファクチャリング」をテーマに、AMに関する研究の経緯と今後の動向について講演した。 助成研究成果発表会では、産業技術総合研究所・佐藤直子主任研究員が「X線透視法を用いたPBF-LB/Mの溶融挙動のその場観察」、東京都立大学・筧幸次教授が「選択的レーザー溶融法で造形したNi基超合金のクリープ特性劣化と後処理による改善」、九州工業大学・ 楢原弘之教授が「金属AMによる高機能金型製造のためのレーザ焼結プロセスの可視化」、大阪産業技術研究所・山口拓人主任研究員が「雰囲気制御を利用したWC-Co超硬合金のレーザメタルデポジション技術の開発」について発表を行った。 助成研究成果発表会の後には、同じテーマを別の視点から深堀りした企業講演2本が行われた。日本AM協会・澤越俊幸専務理事の「できるのかAMの実製品活用」では、なぜ日本ではAMの実製品への活用が遅れているか、今後世界に追いつくために取り組むべき課題などが「技術面」の観点から述べられた。矢野経済研究所・小山博子氏の「2023年AM動向」では、AMの市場動向や予測などが「経済面」の観点から述べられた。 発表会の最後に塚本教授はすべての講演を振り返り「さまざまな観点から見たことでAMの抱える問題点や取り組むべき課題があらためて見えてきた。大変意味のある発表会になった」と締めくくった。2参加人数はコロナ禍前の水準に回復 天田財団は4月19日、パシフィコ横浜で「第6回 レーザプロセッシング助成研究成果発表会」をOPIE'23の公式イベントとして開催した。今回のテーマは「高付加価値製造を実現するレーザアディティブマニュファクチャリング(AM)」。注目度の高い分野だけに会場とオンラインを合わせて208名の研究者・学生などが参加した。日本のものづくりに公益事業を通じて貢献 冒頭の主催者挨拶で、天田財団・末岡愼弘前代表理事理事長は「新型コロナウイルスによるパンデミックは収束の方向にありますが、ロシアのウクライナ侵攻から1年以上が経過して世界経済は大きなダメージを受けており、先行きの不透明感が増しています。その一方、科学技術の分野ではDXへの対応やSDGsの達成、カーボンニュートラルの実現など、喫緊の課題が山積しています。私はいつの時代も科学技術のイノベーションこそが課題を解決して次の時代を切り拓くための原動力であると考えています」。 「当財団は『人を育て、知を拓き、未来を創る』という運営指針を掲げて研究者のみなさまを応援しています。これからも日本のものづくりに公益事業を通じて貢献するよう、なおいっそう努力してまいります」と述べた。「高付加価値製造を実現するAM」 基調講演では大阪大学・塚本雅裕教授(天田財団役「第6回 レーザプロセッシング助成研究成果発表会」を開催

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