天田財団ニュース No13
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鹿児島工業高等専門学校・徳永仁夫教授スよく配置されている。実験・実習を重視した専門教育を行い、大学と同程度の専門的な知識・技術が身につけられるよう工夫されているのが特徴となっている。 また、5年間の教育を受けたあとに専攻科で2年間学ぶこともできる。専攻科は、本科卒業後により高度な技術者教育を行うことを目的としており、機械・電気システム工学系専攻、環境システム工学系専攻、物質工学系専攻などがある。最近は専攻科や4年生大学への編入を志す生徒が毎年20〜50%いるという。4研究室訪問1鹿児島工業高等専門学校 機械工学科徳永 仁夫 教授専門知識・技術を有する創造的な人材を育成する高専 高等専門学校(以下、高専)は、1961年6月に学校教育法の一部改正により創設され、1962年4月に第一期校が開校されて以来、国内外で活躍する多彩な人材を輩出している。そもそも高専は職業に必要な実践的かつ専門的な知識・技術を有する創造的な人材を育成するとともに、日本の高等教育水準の向上と均衡ある発展をはかることを目的として創設された。 現在は北海道から沖縄まで国立高専51校(55キャンパス)の全国ネットワークを持ち、学生数5万2,000人、教職員数6,300人(うち教員数3,800人、技術職員数700人)の大規模な高等教育機関となっている。 各高専には3〜7の学科があり、理工系分野の学科としては、機械・材料系学科(機械工学科など)、電気・電子系学科(電子工学科など)、情報系学科(情報工学科など)、化学・生物系学科(物質工学科など)、建設系・建築系学科(環境都市工学科など)、商船系学科(商船学科)などがある。 5年間の教育課程の中で、一般科目と専門科目がバラン国際交流センター長も兼任――グローバルエンジニア基礎力を育成 鹿児島工業高等専門学校(以下、鹿児島高専) 機械工学科の徳永仁夫教授は、天田財団の2021年度「一般研究開発助成」の塑性加工分野に採択された「動的液圧バルジ試験の提案とマグネシウム合金の冷間塑性加工に関する考察」の研究を行う一方で、高専の目的である「専門的な知識・技術を有する創造的な人材の育成」にも積極的に関わっている。 また、2019年度から全国の高専で取り組みが始まった、世界で活躍できるグローバルエンジニアを育成するための活動を推進する国際交流センターのセンター長も兼任している。 鹿児島高専では「グローバルエンジニア基礎力としてのICTスキル、問題解決力、グローバルマインド育成事業(事業期間:2019〜2023年度)」を推進する取り組みを中心に、特色のある教育研究体制を構築し、国際社会で活躍するグローバルな高専生の育成を目指している。そのため、国際交流センター長である徳永教授は超多忙なスケジュールをこなされており、採択された助成研究についても「今年度いっぱいはセンター長としての任期があるので、来年度からは本格的に助成研究に取り組めると思います」と語っている。材料工学や加工学分野の研究、産業発展に貢献する動的液圧バルジ試験装置により金属板材の変形速度をコントロール

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