天田財団ニュース No13
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助成研究成果を発表する慶應義塾大学・寺川光洋教授助成研究成果を発表する東北大学大学院・水谷正義准教授企業講演を行う㈱リプス・ワークスの照井正人営業責任者セッシングによる高品位微細構造体の創成 〜微細な形をレーザで整える〜」と題した研究成果発表を行った。いろな機会を通して産学の壁、学会の壁を越えて交流していただき、日本のものづくりの飛躍のため、ご協力をいただければと思います」と総括の言葉を述べ、本発表会を締めくくった。3産学の壁を越えて交流 「特別講演」では、筑波大学 計算科学研究センター・矢花一浩教授が「フェムト秒レーザーから物質へのエネルギー移行の第一原理計算」と題した講演を行い、「レーザー加工現象は光から物質中の電子へエネルギーが移行することから始まる。この過程に対して物質科学の第一原理計算の方法を用いた記述が可能」として、その現状と課題について紹介した。 「企業講演」では、㈲志村プレス工業所・志村正廣代表取締役社長が「たかがボタン されどボタン」、㈱リプス・ワークスの照井正人営業責任者が「超短パルスレーザによるマイクロテクスチャ技術の現状と課題」というタイトルで、それぞれ自社の表層加工関連技術や取り組みについて産業的な視点から講演した。各講演の終了後には質疑応答の時間が設けられ、活発な質問や意見交換が行われた。 発表会の最後に山口教授は「CO2レーザから固体レーザ、ファイバーレーザへと開発が進んできて加工速度が大きく変わり、切断の溝もシャープになり、短い時間で制御できるレーザが登場するなど加工の現場は大きく変わっています。ここからさらにものづくりを飛躍させていくためには産業界と学会、機械加工系とレーザ加工系の研究者などが積極的に情報交換をすることが大事です。ぜひ皆さま、いろ次回は来年4月にパシフィコ横浜で開催 その後は会場をヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに移して交流会が行われた。交流会のはじめに㈱オプトロニクス社・上野直樹代表取締役会長が来賓祝辞と乾杯の言葉を述べた。長く続くコロナ禍の影響で久しぶりの対面交流となる参加者も多く、マスクをしながら積極的に会話・情報交換を行う姿が多く見られた。 交流会の最後には天田財団・阪部周二評議員(京都大学名誉教授、一般社団法人レーザー学会副会長)が「天田財団は、ものづくりを基盤とする日本の科学技術を発展させるために努力する研究者・開発者のためにあります。当財団の助成を受けられた先生方はそれを肝に銘じて研究に精進していただければと思っております。今後も当財団ならびに日本のレーザプロセッシング分野を盛り立てていくために皆さまと一丸となって努めていければと思っておりますので引き続きよろしくお願い申し上げます」と閉会の挨拶を述べ、交流会は終了した。 財団では次回の「第6回レーザプロセッシング助成研究成果発表会」もOPIE’23の公式併催イベントとして2023年4月19日にパシフィコ横浜で開催する予定としている。

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