主催者挨拶をする天田財団・末岡愼弘代表理事理事長基調講演を行う東海大学・山口滋教授(天田財団役員)助成研究成果を発表する北海学園大学・藤原英樹教授け、先行きの不透明感が増しています。一方、科学技術の分野においてはデジタルトランスフォーメーションへの対応、SDGsの達成、カーボンニュートラルの実現など、技術的な課題が山積しています。私はいつの時代も科学技術のイノベーションこそが課題を解決して次の時代を切りひらく原動力ではないかと考えています。当財団は次の時代を切りひらくイノベーターを応援するとともに、研究開発助成によって社会に貢献することを目指しています」と述べた。 基調講演では東海大学・山口滋教授(天田財団役員)が「『微細表層レーザ加工』研究が拓く未来」という演題で、レーザ加工の歴史や研究事例について紹介し、「表層加工はSDGsやカーボンニュートラル、循環型社会、安全・安心、健康促進社会など医学分野も含めてこれからの応用・発展が期待できる分野です」と、その重要性について説明した。その後、山口教授が座長となり、助成研究成果発表会や特別講演、企業講演が行われた。 「助成研究成果発表会」では、北海学園大学・藤原英樹教授が「プラズモン場を用いたレーザー水熱合成によるナノ発光体の最適配置 〜フォトニック・プラズモニックハイブリッドデバイスの作製〜」、慶應義塾大学・寺川光洋教授が「レーザ直接描画によるフレキシブル導電性構造の作製」、産業技術総合研究所・奈良崎愛子研究グループ長が「レーザー転写による物質デリバリー 〜微粒子からタンパク質担持マイクロチップまで〜」、東北大学大学院・水谷正義准教授が「レーザ照射と超精密切削のサイマルプロ2「第5回レーザプロセッシング 助成研究成果発表会」開催 公益財団法人天田財団は4月20日、OPIE’22の公式併催イベントとして「第5回レーザプロセッシング助成研究成果発表会」をリアルとオンラインのハイブリッド方式で開催した。 天田財団の助成研究成果発表会では毎回テーマが設けられ、過去に助成研究として採択された研究成果報告の中から関連したものを選定し、その後の研究の進展を加えて発表する。今回のテーマは「微細表層レーザ加工」となった。 今回は財団が助成研究成果の啓蒙と産学交流の促進を目的として行っている「助成研究成果発表会」のほか、一般社団法人レーザー学会東京支部が共催する「特別講演」や、産業分野での取り組みを紹介する「企業講演」も併せて行われた。「企業講演」は、これまで大学や研究機関の研究者を中心として行われていた本発表会に、企業からの視点を加え、それぞれの視点のちがいや産学連携の重要性を再認識するきっかけにすることを目的に今回初めて企画された。テーマは「微細表層レーザ加工」 発表会の冒頭に行われた主催者挨拶では天田財団・末岡愼弘代表理事理事長が「長引くパンデミックに加え、ロシアのウクライナ侵攻により世界経済は大きなダメージを受「微細表層レーザ加工」をテーマに開催―「レーザプロセッシング助成研究成果発表会」
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