助成総評を行う天田財団・青山藤詞郎理事招待講演を行う大阪大学大学院・燒山佑美准教授「2021年度助成式典」が開催された日比谷図書文化館招待講演を行う静岡大学・早川邦夫教授 「このような難しい課題を解決していくには、産学官の連携した取り組みが重要であると考えています。本日ご列席の先生方におかれましてもぜひとも研究活動を通じて日本初の新たな技術や理論の構築に取り組んでいただき、企業のイノベーション喚起にもご尽力いただけますとさいわいです」と祝辞を述べた。報告書の提出期限を厳守していただきますよう、お願い申し上げます。コロナ禍でもあり、研究の進展によっては助成期間の延長も柔軟にお認めする方針です。当財団の助成を有効にご活用いただき、研究成果という形で社会に還元していただけますよう、お願い申し上げます」と述べた。 その後は末岡代表理事理事長から助成対象者一人ひとりに助成金目録が贈呈された。目録贈呈後には招待講演として、大阪大学大学院 工学研究科・燒山佑美准教授による「原始的酵素モデルとしての鉄硫黄クラスター錯体の合成と反応」、静岡大学 工学部・早川邦夫教授による「前方軸-後方缶押出し鍛造によるチタン合金のトライボロジーの温度依存性の研究」と題した講演が行われた。 式典終了後は、日比谷公園内にある日比谷松本楼に会場を移動して、交流会が開催された。来賓の一般社団法人日本塑性加工学会・北村憲彦会長(名古屋工業大学教授)の祝辞のあと、出席者たちは密になりすぎないよう注意しながら、久しぶりの対面での交流で再会を喜び、お互いの近況を紹介しながら有益な情報を共有し、交流を深めていた。3持続的な発展には産学官の密な連携が必要 同じく来賓の文部科学省 研究振興局 基礎・基盤研究課 量子研究推進室・迫田健吉室長は「世界的なコロナ禍の中においても産業競争力の基盤となる光・量子技術の研究は日進月歩で進められています。我が国におきましても本年3月に『第6期科学技術・イノベーション基本計画』を策定し、基礎研究がもたらす新たな知の創造をイノベーション創出の源泉と位置づけ、光量子技術の国際競争力をいっそう強化していくことを掲げて研究開発を推進しています。政府におきましてもSIPやQ-LEAPというプロジェクトを通じて、レーザ加工のDXに向けた研究開発を進めていますが、レーザ加工の挙動に関しては未知の領域が多くあります。このたび助成を受けられた研究者のみなさまのさまざまな研究によってこうした領域が解明され、日本初のイノベーションが創出されることを心より祈っています」。 「ポストコロナ社会という新たな時代に向けて我が国の経済がいち早く回復し、将来の持続的な経済発展を実現していくためにも、産学官がこれまで以上に密に連携し協力していかなくてはいけないと考えています」と挨拶した。コロナ禍により久しぶりの対面交流となった 「総評」では天田財団・青山藤詞郎理事(慶應義塾大学・名誉教授)が、今回の助成の傾向と注意点などを説明し、「この助成式典はスタートラインです。助成を受けられたみなさまはゴールである助成期間の再確認と、その成果
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