天田財団ニュース No12
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祝辞を述べる日本塑性加工学会・北村憲彦会長熊本大学・河村能人教授による特別講演も行われた実にも直面しています。当学会はこの時代の大きな変わり目でこれまでの経験や理論的な知見を散逸させないよう、次世代に引き継ぎ、発展を促せるように強く意識し動き始めています。われわれも社会に役立つ知識・知恵、人材づくりに天田財団とともに歩み、ともにものづくりの未来を創出していきたい」と祝辞を述べた。14「塑性加工助成研究成果発表会」を開催 天田財団は2021年10月29日と30日の両日、一般社団法人日本塑性加工学会の「第72回 塑性加工連合講演会」の特別併催行事として「第18回 塑性加工助成研究成果発表会」をオンデマンド配信で開催した。当財団は助成研究成果の普及啓発事業の一環として毎年、研究成果発表会を開催しており、18回目となる今回のテーマは「マグネシウム合金の成形技術と特性」となった。日本のものづくりに公益事業を通じて貢献 主催者の天田財団・末岡愼弘代表理事理事長は「世界的なパンデミックにより私たちの活動が大幅に制限され、世界経済に深刻な影響が出ています。一方で科学技術の分野ではデジタルトランスフォーメーションへの対応やSDGsの達成、カーボンニュートラルの実現など技術的な課題が山積しております。このような環境で当財団は『人を育て、知を拓き、未来を創る』という運営指針を掲げて、研究者のみなさまを応援し、公益事業を通じて日本のものづくりに貢献するよう今後もいっそう努力をしてまいります」と挨拶した。 来賓の日本塑性加工学会・北村憲彦会長(名古屋工業大学教授)は「日本塑性加工学会は創立から70年あまり、材料の性質とそれを加工するための工学、それを応用展開した実業を発展させるため、寄与してきました。一方で、ものづくり系のアカデミアの縮小が進むなど、きびしい現マグネシウム合金に関連した5件の講演 その後の本発表会のテーマでもある「マグネシウム合金」に関する講演5件が行われた。特別講演では、熊本大学 先進マグネシウム国際研究センター・河村能人センター長・教授(先進軽金属材料国際研究機構・機構長兼務)が「塑性加工による新材料創製〜KUMADAI マグネシウム合金〜」と題した講演を行った。 研究成果発表会では、これまで天田財団の助成を受けた研究の中から選出された4件――東京都立産業技術高等専門学校・長谷川収教授が「超軽量構造用マグネシウム合金押出し材のミクロ組織とプレス成形性に関する基礎研究」、岐阜大学・植松美彦教授が「摩擦攪拌改質による高強度難燃性マグネシウム合金の創製」、京都大学・浜孝之教授が「結晶塑性有限要素法によるマグネシウム合金板の変形挙動のモデリング」、兵庫県立大学・原田泰典教授が「超軽量マグネシウム合金板の冷間多段深絞り加工性」の研究成果発表を行った。「第18回塑性加工助成研究成果発表会」をオンデマンド配信テーマは「マグネシウム合金の成形技術と特性」

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