天田財団ニュース No11
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福井大学・大津雅亮教授産業創造工学専攻 マテリアル工学講座の講師、2007年に同工学講座の准教授に就任した。そして2011年4月に福井大学大学院 工学研究科 機械工学専攻の教授に就任。現在は、大学の工学部 機械・システム工学科 機械工学コースと、大学院の工学研究科 産業創成工学専攻 創造生産工学コースの材料加工研究室の教授を務めている。金属板の成形本研究室で発明した金型を使わずに金属板を成形する画期的な加工法「摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法」を使って、成形の難しいマグネシウム合金板やアルミニウム合金板、チタン板の成形性について、実験と計算機シミュレーションを行う。2. サーボプレスによる金属板材のプレス加工の 高精度化と成形性向上サーボプレスの特徴である金型の位置・速度を自由に制御できる点を利用して金属板材のプレス加工の高精度化と成形性向上を目指す。3. レーザフォーミングによる金属板の3次元成形板材にレーザ光を照射・走査して熱応力で板材を変形させるレーザフォーミングを使い、つくりたい3次元形状にするための加工アルゴリズムを研究する。 現在、大津研究室には研究生が1名、博士前期課程の学生が6名、学部の4年が6名、3年が1名の合計14名が在籍する。43つの研究テーマに取り組む 大津教授の研究室の研究テーマは下記の3つとなる。1. 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法による 既成概念にとらわれない研究を目指す 大津教授は、既成概念・固定観念にとらわれない新しい材料加工の世界を求めて研究を続けている。 ニーズの多様化が進む中で多品種少量生産に適した金属板材の成形方法のひとつにインクリメンタルフォーミング(以下、インクリ法)がある。インクリ法は金型を使わずに1福井大学 学術研究院工学系部門機械工学講座大津 雅亮 教授インクリメンタルフォーミングの研究をリード 天田財団の2020年度の「重点研究開発助成(課題研究)」に塑性加工分野で採択された福井大学 学術研究院工学系部門 機械工学講座の大津雅亮教授は、レーザフォーミングやインクリメンタルフォーミングなどの金型フリー板材成形技術や、サーボプレスを利用した高精度板材成形技術に関する研究を主に行っている。 特に「摩擦攪拌インクリメンタルフォーミング」は、大津教授の研究室で開発した軽金属板材の高成形性加工法で、世界のインクリメンタルフォーミングの研究をリードしている。2011年4月から現職に就任 大津教授は1993年3月に大阪大学 基礎工学部 機械工学科を卒業し、1995年3月に大阪大学大学院 基礎工学研究科 物理系専攻 機械工学分野 博士前期課程を修了。1997年4月には日本学術振興会の特別研究員となり、1998年3月に大阪大学大学院 基礎工学研究科 物理系専攻 機械工学分野 博士後期課程を修了し、博士を取得した。 同年4月に大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム人間系専攻 機械科学分野の助手に任官。2002年4月に熊本大学 工学部 知能生産システム工学科 マテリアルコースの講師、2006年4月に同大学大学院 自然科学研究科 インクリメンタルフォーミングの高加工精度の工具経路をAIで生成既成概念にとらわれない新しい材料加工の世界を拓く

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