天田財団ニュース No11
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会社名 代表取締役 田中 公典所在地 電話 従業員数 URL 田中産業 株式会社静岡県三島市長伏155-33055-977-183665名http://www.tanaka-sng.co.jp/CAD/CAMを操作するレーザー課のファム・テェ・クオン課長。技能検定の資格取得をきっかけにブランク工程のオペレーションにも対応するようになったファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJのサイクルローダーを操作するグエン・タン・ルアンさん。ベトナム人スタッフが約半数を占めている約半数の29名がベトナム人スタッフ 田中産業㈱は2008年にベトナム人の「技能実習生」を受け入れ始めたことがきっかけとなり、ダイバーシティ経営とグローバル化を推進してきた。2010年からはベトナム人の「高度人材」(エンジニア)を採用するようになり、2019年からは新たに始まった「特定技能」の制度も活用。今では全従業員65名のうち45%に相当する29名がベトナム人スタッフとなっている。人事評価制度を刷新し、資格取得を促進 外国人スタッフの割合が高まると、技術・技能の向上と蓄積がよりいっそう深刻な課題となる。この課題に対して、2015年に3代目社長に就任した田中公典社長は、人事評価制度を刷新し、「技能検定(工場板金技能士)」をはじめとする資格取得を促進することで対応していった。 新たな人事評価制度では、全役職者が全社員を評価し、約30の評価項目で高得点を取ったり、資格を取得したりすると昇給につながる。資格の場合は、昇給とは別に資格手当がつく。昇給や手当の対象となる資格は、技能検定(工場板金技能士)のほか、溶接技能者、QC検定、英検(実用英語技能検定)、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)などで、外国人スタッフの場合は日本語検定も対象となる。 受検手数料など、資格の取得にかかる費用は全額会社が負担する。2019年度からは、技能検定(工場板金技能士)については天田財団の「技能検定 工場板金 受検手数料助成事業」を利用している。 現在、技能検定(工場板金技能士)の有資格者は延べ17名で、このうちベトナム人スタッフは4名。このほかに有資格者ではないが、学科のみや実技のみ合格しているスタッフも数名いる。社員同士で教え合う関係も生まれ、受検直前には役職者が中心になって勉強会を開催するなど、社員がお互いに声をかけ合い、自発的に学ぼうとする雰囲気も生まれている。技能検定が自信や責任感につながる 田中社長は「技能検定の資格を取得することで、社員にとっては自信や誇り、責任感につながっていると思います」。 「この人事評価制度がベストと思っているわけではありません。しかし、当社の場合は外国人スタッフが多いこともあって、具体的に何をがんばれば評価や昇給につながるか、目に見えるかたちで示す必要がありました。また、福利厚生の一環で、受検に向けた実技の練習は、お客さまにご迷惑をかけない範囲で残業時間に行うことを認めています。こうした仕組みづくりが功を奏して、技能検定にチャレンジする社員が毎年増えています」と語っている。会社情報19田中産業 株式会社ベトナム人スタッフも技能検定にチャレンジ

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