天田財団ニュース No11
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会社名 代表取締役 六車 壽夫小牧工場 愛知県小牧市大字東田中字下五反田1081電話 従業員数 URL 株式会社 興和工業所0568-77-3277(小牧工場)1,049名(小牧工場・板金部門は74名)http://www.at-kowa.co.jp/ベンディングマシンHG-8025(手前)を使った曲げ加工。曲げ工程を担当する作業者の多くが技能検定2級以上の資格を有している2018年度、2019年度の工場板金技能士の2級に合格したメンバー。左から安藤さん、大脇さん、荒川さん、村本さん、岩崎さん金属加工の総合エンジニアリング企業 ㈱興和工業所は各種表面処理から機械加工、板金加工、溶接、塗装、焼き入れまでの金属加工を手がける総合エンジニアリング企業である。板金工場と塗装工場、組立工場が連携することで、板金〜塗装〜組立の一括受注・一貫生産が可能となり、幅広い顧客ニーズに対応している。 ブランク工程ではミクロジョイント加工を行い、加工後にバラシ作業を行って機種単位でパレットに積載、次工程へ送り出すキット生産を行っている。生産は工程単位で分業化しているが、定期的にローテーションを行っている。分業に対応して専任の作業者を育成するという考えもあるが、担当する工程の部分最適化もさることながら、一貫生産に対応し工程全体のものづくりに対応できる知識を備えた「全体最適を考えることができる多能工」が必要だと考えている。社員の1/3が工場板金の有資格者 小牧工場長の城尚志氏は「当社では人材育成の観点から各種国家検定、資格が必要なフォークリフトやクレーンなどの作業や操作に関して、積極的に資格取得を推奨しています。受検の費用は会社が負担してくれますし、上長の許可を得て、就業時間内に実習訓練をすることもあるなど、資格取得を応援する環境があります。資格を取得すると会社から一時金が支給されます。現在はISO9001の力量管理で作業者ごとに『スキルマトリックス(実務能力基準表)』を作成しているので、個々の業務に必要な技能・知識・資格・経験などの能力を確認し、その一環で技能検定の資格取得を上長が部下に指導する場合もあります」。 「小牧工場には派遣の日系外国人を含めて74名の社員が在籍しています。日本人社員の中で機械板金作業の1級合格者が5名、2級が7名。数値制御タレットパンチプレス板金作業の1級が6名、2級が4名います。設計担当者も積極的に受検、2019年度は2名が合格しました」という。 小牧工場次長の太田一徳氏は「受検を経験した社員は知識を身につけたことで、仕事が速く正確になる傾向があります。2級に合格し、1級に挑戦するようになれば、自分で動ける人材に育っているので頼もしい」という。デジタルとアナログのハイブリッド人材の育成 作業者のスキルに依存することで、その人でなければ加工できない属人化が進む。それを避けるためにデジタル化が進んでいるが、デジタル化により指示されたことしかしない、できない作業者が増える傾向もみられる。それを避け、自分で判断できる作業者を育成することが必要だ。デジタルとアナログのハイブリッド人材こそが今後のものづくり現場で求められる。小牧工場で行われている技能検定への取り組みは、そうした目標への第一歩になっている。会社情報17株式会社 興和工業所デジタルとアナログのハイブリッド人材を育成

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