天田財団ニュース No11
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会社名 代表取締役社長 小林 光德所在地 電話 従業員数 URL 株式会社 キヨシゲ千葉県浦安市鉄鋼通り2-4-3047-351-7201110名http://www.kiyoshige.com/左から、柿元博幸執行役員(工場板金・特級)、白井誠副工場長(同)、設計部の中田淳也係長(数値制御タレットパンチプレス板金作業・1級)所狭しと掲示された技能検定の合格証書。「工場板金技能士」の合格者数は16年間で延べ52名にのぼる県全体の合格者数の約1/4を占める ㈱キヨシゲの小林光德社長は2006年に2代目社長に就任して以降、さまざまなかたちで組織改革と人材育成に取り組んできた。中でも「当社にとって社員教育の背骨」(小林社長)と位置づける「技能検定」については、今日にいたるまで、めざましい成果をあげてきた。 2006年から2021年までの16年間で、「工場板金技能士」の特級・1級・2級の合格者は延べ52名。これは千葉県全体の合格者数の26%――約1/4に相当し、毎年3.3名が資格を取得していることになる。社員が自発的に資格取得を目指す環境、全社を挙げて受検者をサポートする体制が整えられており、合格率も平均を大きく上まわっている。「技能検定」の資格取得が社員の“憧れ”に 1960年の創業当初は、プレス工場からのスクラップ回収業としてスタート。その後、シャーリングで加工した切板の鋼板販売を手がけるようになった。さらに、顧客の要望に応えるかたちでプレス加工、板金加工、形鋼加工、機械加工、溶接製缶と、2次加工の対応力を順次強化していった。 2次加工の領域で後発の同社は、たしかな技術力を身につけ、それを社外に示す必要があった。顧客に対して同社の技術力を裏書きするツールとして、小林社長は「技能検定」に注目した。それと同時に、技能検定は社内組織を構築するうえで明確な“ものさし”となった。第三者の公正な評価に基づく資格を取得することによって、その社員がたしかな技術を持つことを示し、組織の要として育てていった。 「資格を持っていることが社内外での評価につながると、ほかの社員にとっても資格が“憧れ”になっていきました。私が『資格を取れ』と言わなくても、社員たちがみずから『(検定を)受けさせてほしい』という声を次々と挙げてくれるようになりました」(小林社長)。社員全員が切磋琢磨しながら成長を目指す 受検手数料は会社が負担し、2019年度からは天田財団の「技能検定 工場板金 受検手数料助成事業」を利用している。毎年1月に開催される新年会では、数日後に検定に挑む受検者が壇上に上がり、社員全員でエールを送る。合格して資格を取得すれば、毎年4月に開催される全社員参加の全体会議で表彰され、金一封が贈られる。 「工場板金技能士」の特級を取得している加工センターの白井誠副工場長は「国家資格を取得したことは自信や誇りになりました。また、技能検定にチャレンジすることで、切磋琢磨しながら成長していこうとする意識が強くなっていきました。今では、資格を持っている上司や先輩が、これから受検する部下や後輩を指導して、全員協力体制で有資格者を増やしていこうとしています」と語っている。会社情報16株式会社 キヨシゲ技能検定は社員教育の背骨

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