天田財団ニュース No10
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式典の冒頭で挨拶をする天田財団・末岡愼弘代表理事理事長祝辞を述べる㈱アマダ・磯部任代表取締役社長執行役員助成総評を述べる天田財団・青山藤詞郎理事(慶應義塾・常任理事)るよう広く普及啓発することは天田財団の使命です。『人を育て、知を拓き、未来を創る』――この言葉を胸に刻み、今後も活動していくことをお誓いします」と挨拶した。2助成総数89件・2億4,464万円を助成 天田財団は2020年11月28日、「2020年度天田財団助成式典」を開催した。今回は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染防止の観点からオンライン形式で行った。式典には79名の助成対象者がリモートで出席、財団関係者や学協会などから約50名が視聴した。 2020年度前期の助成件数は89件、助成総額は2億4,464万円だった。このうち、「研究開発助成」の合計は80件・2億4,054万円、「国際交流助成」は合計9件・410万円となった。これにより1987年(昭和62年)の創立以来の33年間で行った累計助成件数は1,919件、助成金総額は32億762万円となった(2020年後期助成を含む)。使命は「人を育て、知を拓き、未来を創る」 式典冒頭で天田財団・末岡愼弘代表理事理事長は「第一線でご活躍をされるみなさまにおかれましては、昨今の日本の科学技術の開発環境に不安を感じておいでだと思います。特に研究者の人材育成や、研究資金の確保が喫緊の課題ではないでしょうか。天田財団は微力ではありますが、これらの課題に助成事業を通じて取り組んでいます。助成金の規模ももちろん重要ですが、真に研究に有益である助成や若手研究者育成の助成など、内容の充実にもことさら努めてきました」。 「公益法人の使命は、より多くの人々の利益に資することです。日本が持続的に発展し、これからも世界で主導的な役割を果たすためには絶えず科学技術のイノベーションを起こす必要があります。金属の加工に関する優れた研究や国際交流へ助成し、その成果を産業の現場で活用できコロナ禍で考えるべき4つのポイント 続いて㈱アマダ・磯部任代表取締役社長執行役員が来賓として次のように挨拶した。 「日本企業を取り巻く環境は新型コロナの影響でまさに激変の様相を呈しており、アマダグループも大きな岐路に立たされています。こうした状況のなか、考えるべきポイントは4つあります」。 「1つ目は情報化・デジタル化の流れが国境を越えて爆発的に加速すること――5GやAIを中心とした技術革新の流れが新型コロナにより3〜5年早まり、さまざまな活動がリモート化してきています。2つ目は脱グローバルの側面が出てくること――今回のパンデミックを受けて私たちはヒトやモノの流れが世界各地で止まってしまうという現実に直面しました。企業レベルでのサプライチェーンは今後、各国・各地域で自前主義も起こってくると想定できます。3つ目は環境・健康・安全への認識の再考・再燃――公衆衛生システム強化や自動化が主流になると議論されています。4つ目は労働環境の変化、働き方改革の加速――テレワークの普及やロボット化が進み、本当に人間がやるべき仕事の価値が見直され、問われてくるものと考えます」。 「私たち企業はさまざまな取り組みを行っていく覚悟ですが、本日ご列席の先生方におかれましても研究活動を通じて日本発の新たな技術革新に取り組んでいただき、企業のイノベーション喚起にもご尽力いただければ幸いです」。「2020年度助成式典」をオンラインで開催

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