◎◎◎◎◯◎nmµmµm新規開発装置単光子レーザ多光子レーザ高精度造形ナノ粗精度造形ミリ時間・コスト大きい造形造形スポットmm2光子効果◎×◯△▲××❷❷シャッター東京大学大学院 工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻・機械工学専攻 牛田・古川研究室のメンバー集合写真AOM355nmレーザ780nmレーザビームエキスパンダーカメラ対物レンズ干渉計ピエゾステージモーターステージ防振台❶❶❶光造形による3次元光造形技術の開発/❷新規3次元造形システムの構築/❸脱細胞化された皮質骨のH&E染色画像(上:正常時、下:高齢ラット)❸❸ションツールがなかった時には、留学生たちに1泊2日で日本に来てもらい、マンツーマンで話をして受け入れ、一人ひとりメンバーを増やしてきました。せっかくさまざまな人間がいるのですから、日本人だけで固まっているのはもったいないと思っています。交流を通じて垣根を取り払い、お互いが高め合えるような関係を構築していきたい」。11骨粗しょう症の解決を目指した骨の再生法を開拓 「骨粗しょう症が起きる原因について、今はまだそれほど多くのことが解明されているわけではありません。私たちはその原因について、骨粗しょう症の人の骨の中の構造が骨を壊す破骨細胞への幹細胞分化を促進し、骨をつくる骨芽細胞・骨細胞への分化能を下げることによって急激な骨粗しょう症の悪化のサイクルが起こっているのではないかと考えています」。 「従来の研究では、細胞や組織に適用可能な数百マイクロのスケールの3次元的な自由形状をもちつつも、細胞内部の活性に影響を与えるサブミクロンからナノオーダの自由造形を行う工学的な手段がありませんでした。本研究で開発する新たな手法を用いることではじめて、骨粗しょう症の根本的な解決を目指した骨の再生法の開拓研究が遂行できると考えています」。 「光造形法のメリットは加工しにくい複雑形状の製造まで対応できるところにあります。ただ、2光子レーザは造形スポットが小さく、レーザを使う時間に制限がある場合、小さな構造物しかつくることができないという課題もあります。これに対し、私が開発したデュアルレーザ式光造形装置は細かい造形精度を持ちながら高速造形することが可能です。ものづくりをするうえですべてのものに活用できる技術なので、再生医療にこだわらず、さまざまなものづくりに広く貢献していきたい」(古川准教授)。留学生の割合が40%―グローバルな研究室 古川研究室のメンバーは、古川准教授のほか特任教授1名、ポスドク1名、職員1名、博士課程9名、修士課程12名、学部5名、交換留学生3名の合計約30名。このうち留学生の割合は40%と高く、グローバルな研究室といった印象を受ける。古川准教授は留学生を積極的に受け入れている理由について次のように述べている。 「東大工学系研究科では、講師から自分の研究室を持つことができます。古川研究室では研究室完成当初から積極的に留学生を受け入れています。まだビデオコミュニケーポストコロナは男女共同参画社会に近づく 「私が博士を取得して就職活動をはじめたのは、男女雇用機会均等法が改正された直後のことでしたが、女性であることを理由に学ぶ機会が与えられないことも少なからずありました。当時は今以上に女性が受け入れられていなかったこともあり、自分自身で道を切り拓かなければならない状況にありました。その頃と比べて現在は、支援制度が充実してきて、雇用に関しても女性を採用する動きなどが増え、世の中が変わってきたように感じています」。 「今、時代はすごい勢いで変わっています。コロナ禍の影響でこれまで『外』で働いていた男性たちも自宅でテレワークをするようになり、子どもの面倒など、家事といわれている仕事ができるようになりました。『内』の様子を見ることで、これまで気が付けなかった課題や解決策などに気づくチャンスにもなったのではないかと思います。ポストコロナの時代は本当の意味で男女共同参画社会へと向けて進展していくのではないかと期待しています」と古川准教授は語っている。
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